カントン包茎とは、包皮を手でむくことはできるものの、むいた際に包皮が戻らなくなり、亀頭を締め付けてしまう状態です。一見、仮性包茎に近いように思えますが、放置すると命に関わるようなリスクもある、非常に危険な包茎の一種です。
最大のリスクは、**包皮による亀頭の締め付け(嵌頓:かんとん)**です。包皮が元に戻らなくなることで血流が遮断され、亀頭がうっ血、腫れ上がり、激しい痛みを引き起こします。放置すれば壊死に至る可能性もあり、緊急手術が必要になるケースもあります。
また、締め付けを恐れて包皮を剥かずに過ごしてしまうと、衛生状態が悪化します。包皮の内側に尿や垢が溜まりやすくなり、強いにおいや炎症、感染症の原因になります。カントン包茎の人は洗浄がしづらく、性病のリスクも高くなる傾向があります。
性行為においてもトラブルが発生しやすいです。勃起時に皮が引っ張られて痛みが出たり、挿入中に包皮が締まりすぎて行為が中断されるといったこともあり、パートナーとの関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、精神面でも「自分だけ変だ」「見られたらどうしよう」といった不安や羞恥心を抱えやすく、性への意欲や自己肯定感に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。
カントン包茎は仮性包茎よりも緊急性の高い状態です。手術によって安全に、確実に改善が可能なため、症状に心当たりがある場合は、早めの受診を強くおすすめします。